注文住宅の良さは、間取りや建材などを自由に選ぶことができることにあります。
自由度が高い分、選択肢も膨大になり、マイホームに注文住宅を選ぶ場合はそれなりの時間と手間を覚悟すべきでしょう。
わたしがマイホームを購入したのは二人目の子どもが生まれて間もなくという時期でした。
家族が増えアパートでは手狭になってきたため、夫の鶴の一声で注文住宅を購入することに決まったものの、本人はマイホームさえ手に入ればいいという考えだったため、設計から建具選びまですべて妻であるわたしが担うことになりました。
建築に関する知識は素人ですが、昔から建築物がすきで間取り図を読み取ることはできたため、間取りの設計は自分ですることにしました。
いざ作業にとりかかると、こだわりがどんどん強くなり、なかなか納得するかたちに到達しないものです。
風水や家相までもが気になるようになってしまい、最終的には風水の考えを取り入れた間取りになりました。
素人の書いた図面ですが、構造上もとくに問題はなく、そのまま採用されてしまったのです。
そのときは誇らしい気持ちでしたが、実際に暮らしてみると不便なことはたくさんありました。
部屋の広さを確保するために玄関のスペースを狭くしたため、コートをかけるクローゼットを配置すれば良かったと思いました。
他にも、子育て中だったためにリビング階段を採用したことも失敗だと感じました。
理由は一階の暖気が二階に逃げてしまうこと。
同じように、一階の物音が二階に響きやすいことです。
それから洗面所とお風呂がリビングとキッチンからつながる配置にしたのですが、子どもが外から帰ったときにすぐ手を洗えるように玄関から直接入れるようにすべきでした。
参考にすべきは、おしゃれな家のアイデアよりも断然失敗例の方です。
家は生活の場所ですから、暮らしていて不満の少ない家こそが、満足できる家なのだと思います。