新築のマイホームや注文住宅に憧れていても、予算が足りなくて諦めている人も多いのではないでしょうか?
しかし1000万円の予算でも、新築の注文住宅を建てることは不可能ではありません。
今回は限られた予算で納得の行くマイホームを建てるためのポイントを解説します。
抑えるべきポイントは5つ
1000万円という限られた予算の中で新築のマイホーム、しかも注文住宅という夢を実現させるためには、きちんとした計画を建て、予算オーバーにならないようにすることが重要になります。
そのために抑えておかなければならないポイントは次の5つです。
2.住宅購入費の内訳を知る
3.建築費用のかかりにくい土地を選ぶ
4.ハウスメーカー・工務店選びに気をつける
5.コストパフォーマンスの良い家にする
住宅ローンの返済額を把握する
ほとんどの人が家を買うために住宅ローンを組むことになります。貯金だけで家を買う人はごく稀です。住宅ローンをいくらまで借りられるかによって、住宅購入の総予算が決まることになります。
無理のない範囲で家を買うためには、毎月のローン返済額が無理でない範囲である必要があります。
無理のない返済額を考えるにあたって、総借入額で考えてしまうのは危険です。お金の単位が大きく、日々の生活への負担が想像しにくくなってしまうためです。
1000万円を借りたときの返済額
1000万円を35年で借りたときの例を見てみましょう。
住宅ローンには変動金利型と固定金利型のものがあります。
変動金利型はスタート時の金利が低い代わりに、金利変動のリスクがあります。固定金利型の場合、金利は変わりませんが、変動金利よりも高金利です。
最近では変動金利型の住宅ローンの人気が高まり、新規住宅ローンの半数近くが変動金利型だと言われています。
変動金利0.5%、固定金利0.5%、ボーナス返済なしと想定した場合、返済額は以下の通りになります。
変動金利型:月々25,958円、総返済額10,902,385円
固定金利型:月々30,618円、総返済額12,859,535円
1000万円というと途方もない金額に思えますが、月3万円前後となるととたんに現実的な金額に感じるのではないでしょうか。今払っている家賃と比べて住宅ローンの返済額の方が安いのなら、最終的に家が手に入る持ち家の方が得であるのは言うまでもありません。
土地を購入する場合
土地の購入には建物と同じぐらいの費用がかかります。
借り入れが倍になれば、当然住宅ローンの返済額も倍程度に増えることになります。
住宅購入費の内訳を知る
次に大切なのが、住宅購入費の内訳を把握すること。家を建てるときに必要になるのは、建物をつくるお金だけではないのです。
土地を買えば当然土地代も必要になりますし、土地購入時には仲介手数料や登記の費用もかかります。
土地を持っている場合でも諸費用は発生します。庭やカーポートなどの工事費用は建物価格とは別に必要になります。電気や水道、ガスを引くのにもお金がかかります。
住宅ローンを組む際にもお金がかかります。住宅ローンのためには火災保険が必須です。金融機関に支払う保証料や事務手数料も必要です。
また、新居に移り住む際には、引っ越し代や新しい家具家電の購入費もかかります。
こうした「建物以外にかかる費用」を忘れたまま、予算の全てを建物に費やしてしまうと大変なことになります。不足したお金を確保するためにローンの金額を増やしたり、いざというときのための貯金まで切り崩してしまうことになったり、直前になって住宅購入を諦めざるを得なくなったりしてしまいます。
一般的に、こうした諸費用は総費用の2割を占めると言われています。1000万円が総予算なら、そのうち200万円は住宅以外に使い、残りの800万円が建物に使えるお金になります。
建築費用のかかりにくい土地を選ぶ
どんな土地を購入するかも、1000万円の家づくりを成功させるためには重要な鍵になります。
同じ広さの土地・同じ仕様の住宅でも、地盤の強さによって建築費用は全く異なるためです。
土地改良工事には多額の費用がかかります。軟弱な地盤に家を建てるために杭を打つとなると、それだけで数百万単位のお金がかかります。
少しでも節約して家を建てるためには、大掛かりな工事が必要のない安定した地盤の土地を選ぶ必要があります。
しかし、地盤の調査ができるようになるのは基本的に土地を購入した後です。しかも、この調査にもお金がかかります。周囲の土地の状況や周りの家の杭について調べれば多少検討はつきますが、正確なところは実際に調査しなければわかりません。
素人が安全そうな土地を見つけるのは非常に困難です。不動産業者や住宅業者の力を借り、専門家のアドバイスをもらいながら土地を探すことをおすすめします。
ハウスメーカー・工務店選びに気をつける
大手ハウスメーカーは避ける
大手ハウスメーカーの住宅は割高になりやすいです。1000万円で家を建てるなら、有名ハウスメーカーで家を建てるのは避けましょう。
なぜ大手の住宅が割高になっているかというと、広告宣伝や研究開発に多額の費用を描けているためです。当然、その費用は販売した住宅価格に上乗せされています。
ハウスメーカーの公表しているデータによると、住宅価格のうち10%が広告宣伝費・研究開発費です。1000万円の10%というと100万円にもなります。
広告宣伝費や研究開発費にあまりお金をかけていない地元の工務店を利用すれば、100万円分を節約したり、住宅設備に使ったりすることができるようになります。
また1000万円台で注文住宅を建てることを目標にしているなら、それを得意としているローコスト住宅メーカーに依頼することをおすすめします。安く家を建てるためのテクニックやノウハウを熟知しているため、低価格でも満足できる家を建てやすいです。
坪単価は当てにしすぎない
ハウスメーカーや工務店を選ぶ際、参考にされることの多い坪単価ですが、実はあまり比較の参考にはなりません。坪単価の計算方法は会社ごとに微妙に違うため、正確な比較にはならないのです。
坪単価はあくまでも価格帯を知る際の参考にする程度にとどめ、詳しい比較は見積もりを依頼してから行いましょう。
コストパフォーマンスの良い家にする
二階建ての住宅にする
同じ床面積の住宅なら、平屋建てよりも二階建ての方が安くなりやすいです。できれば一階と二階の床面積が同じ総二階の住宅が望ましいです。
なぜなら、総二階が最も基礎の面積・屋根の面積が少なくできる家の形だからです。面積が狭ければ、工事費用も材料費も少なくなります。
家のシルエットをシンプルに
横から見たときの家の形状だけでなく、真上から見たときの形もシンプルなものにしましょう。
凹凸の多い形状や、中庭のある家は、柱の数が増えたり壁の面積が増えたりします。工事の手間と材料費が多くかかることになり、やはり費用が増える要因になります。
こだわるポイントを決める
限られた予算の中で満足できる家にするためには、こだわる場所と節約する場所をはっきりと分けることが必要です。グレードをあげたり、高機能な設備を膨乳したりするのは大切だと思うところだけ。それ以外は極力シンプルなつくりにしましょう。
中途半端なつくりにするよりも、メリハリをはっきりさせてしまった方が後悔しにくいです。
工夫次第で満足のできるマイホームが建てられる
注意すれば1000万円の予算でも満足できる新築のマイホームが手に入ります。
価格を抑えることができれば、住宅ローンの返済負担も少なく、生活にゆとりができます。
ローンを組むリスクも少なく、余暇に使えるお金や老後の蓄えも確保しやすくなります。