私の家は平成18年に新築しました。
以前、住んでいた住宅はその当時で築25年くらいでしたので、まだまだ住める状態でしたが平成16年に起きた新潟県中越地震によって、我が家は今までの自宅から数百m離れた場所に新築することになったのです。
と言っても以前の住宅が地震の被害で住めなくなったわけではありません。
地震によって壁にひびが入るなど若干の被害はありましたが地震以後も普通に以前の住宅に住んで生活をしておりました。
しかし、地元の工務店の営業担当が持ち掛けた話によって私の両親は、住宅新築に洗脳されたようになってしまいました。
私の父親は、地域では割と良いと言われている場所に土地(農地)を持っていたので、以前から住宅メーカーなどから頻繁に土地売買を持ち掛けられていました。
私の父親も将来はその土地へ住宅を作りたいという気持ちがあったようですが、2つも住宅は要らないので今住んでいる住宅がもっと古くなった時に考えるといって、様々な提案を断っていました。
そこへある工務店の営業が「地震で住宅が被害にあった方が〇〇さんの住宅を1,600万円で買いたいと言っている。今、売却してそのお金で違う土地に住宅を買い換えるとお得ですよ」と持ち掛けたのです。
その後、すっかり住宅新築に取りつかれてしまいあっという間に住宅新築の話が進んでいきました。
その当時、父親はすでに職場を退職していたので、持ち掛けられた住宅売却が上手くいったとしてもある程度の資金を借入する必要がありました。
私は話がだいぶ進んで契約する段階になって初めてその話を聞いて住宅ローン1,300万円を借入することになりました。
住宅新築の契約時に工務店の社長に初めて会いましたが、その時、社長から「今の住宅を売却する契約をすぐに結びますので」と言われたことは、はっきりと覚えています。
その後、住宅が完成し住宅ローンで借りたお金と両親の預金に私の預金も加えて代金を振り込みました。
残額は以前住んでいた住宅売却代金を充てることになっていました。
そしてその後、工務店から「住宅を買う予定だった方の都合で売買がキャンセルになった。でもすぐに新しい方を探すので心配しないでください」と父親に連絡があったそうです。
前の家から数百mしか離れていないといっても今まで住んでいた家を誰も住まない状態で放っておくこともできず、新居に引っ越してからもずっと空気の入れ替えや夜になると玄関の電灯を点けにいく日が続きました。
1年以上経過し工務店は代金を下げないと買う人がいないと言ってくるようになりました。
1,600万円と言われた売買は1,200万円で何とか契約がまとまり差額は両者折半ということで、うちと工務店が半々ずつ負担する結果となりました。
当初、描いていた予定とはだいぶ違う計画になりましたが両親にとっては新しい住宅にまた住むことができて良かったと思います。
今では住宅売買で1年半以上も難航したことも忘れ、オール電化で快適な生活をすることができ結果としては良かったと思っております。