今から十年前、夫と暮らす家を、古くなった空き家を骨組みから建て直して住むことにしました。
敷地が母屋と同じなので、長年その土地で暮らしてきた母屋に、窓やトイレなどの配置のアドバイスを聞きながら、建築会社の担当の方と予算等の相談をすすめました。
当初は、1000万円以内を考えていましたが、母屋のアドバイスで、窓はもう少し多い方が良い、断熱材も最初から入れておいた方が、あとで欲しくなった時より結局安く済む…等々を加味していった結果、1400万円くらいかかってしまいました。
勿論若い二人の預金だけでは支払うことができないので、ローンを組もうとしていましたが、母屋の援助で、母屋に足りなかった分を家賃としてお支払いしていくことになりました。
実際住んでみると、和室はここに一室欲しい、壁紙はクリーム色で…など、自分たちが要望を出してできあがった家なので、想像以上に立派に感じられる家になりました。
家の中が新築だときれいすぎて、まるで老舗旅館に泊まっているようで、汚してはいけない、と、新婚生活数カ月は家の中が一番緊張していたほどです。
ただ、数カ月住んでみると、家の中の様々な場所で、もう少しこうすればよかった、という点が目についてきました。
例えば、トイレが隣家に近すぎて、隣家の人が庭作業などをしていると、トイレの音がきこえたり、においがもれて不快にさせてしまわないか心配になったり、別の隣の家では、隣家との境であるブロック塀を古いままで、高くしなかったため、隣家の人が庭で煙草を吸って一服している姿が見ようと思わなくても丸見えで、その頻度が結構高いので、洗濯物を干しに庭に出るたびに、挨拶すべきだろうか、と悩んでしまったり、窓を大きく多く作りすぎたことで、採光は良いけど外から丸見えなような、まるでスケルトンハウスに住んでるような気持になったり…
仕方ないとはいえ、もっと深く考えればよかったと思いました。
窓が大きすぎる不都合は、レースカーテンを買ってきて光を取り入れつつ外から見えなくしたリ、家族と話し合って工夫しながら家を常に住みよくしていくのも、今では楽しい作業となっています。