住宅の構造は大きく「木造」と「鉄筋コンクリート造」の2つに分けられます。
鉄筋コンクリートはRC造(Reinforced Concreteの略、強化されたコンクリートという意味)と呼ばれることもあります。
木造の住宅と比べると、鉄筋コンクリート造の建物は丈夫そうなイメージがありますが、その他にはどのような違いがあるのでしょうか。
鉄筋コンクリート造住宅の特徴について確認していきましょう。
●鉄筋コンクリート造のメリット
・高い耐久性を持つ
木造に比べると劣化しにくく、高い耐久性を持っています。数十年、長ければ100年近く住むことも可能です。鉄とコンクリートという2つの素材を使うことによってこの丈夫さが実現されています。
ヘーベルハウスでは、この耐久性を前面に押し出し「ロングライフ住宅」とコピーをつけた住宅を販売しています。鉄筋コンクリートであれば、1世代で終わる住宅ではなく、何世代も住むことができる住宅づくりも可能です。
・耐震性が高い
材料の強度が高いため、地震にも強いです。また、鉄筋コンクリート造の住宅は箱のような形になるため、歪みや揺れにも耐性を持ちます。
木造住宅でも、柱ではなく壁で支える構造のツーバイフォー工法の場合は木造軸組工法よりも耐震性が期待できますが、それでも鉄筋コンクリート造には及びません。
・気密性、断熱性に優れている
木造住宅に比べて隙間が少ないため、熱が逃げにくく、冷暖房の効率が良いです。冷暖房費の節約にもつながります。
・耐火性がある
鉄筋コンクリートは燃えません。万が一火災が起きても、壁や床そのものが燃えて崩れる心配もないため、延焼の可能性を下げることができます。
木造でもツーバイフォー工法は比較的耐火性がありますが、木であることには変わりありません。
・防音性が高い
隙間が少なく、コンクリートが音を遮断してくれるためです。外からの騒音だけでなく、内部の音が外に漏れるのも防いでくれます。楽器の演奏や、シアタールームを予定している場合は鉄筋コンクリート造が向いています。
・シャープな見た目
デザインや見た目については好みの問題ですが、鉄筋コンクリート造の方がシンプルな見た目やモダンな雰囲気の住宅を造りやすいです。
●鉄筋コンクリート造のデメリット
・コストがかかる
木造に比べると坪単価が高くなります。60万円から100万円程度と、木造住宅と比べて20万円ほど高くなります。
材料費や工事かかる費用がかさむためです。
・重い
木造住宅に比べると鉄筋コンクリート造の住宅は圧倒的に重量があります。そのため、軟弱な地盤では家が沈んでしまう恐れがあります。
地盤が弱い場合は改良工事や深い杭が必要となり、時間と費用がかかります。
・湿気が溜まりやすい
気密性が高く、空気が逃げにくいため、湿気が溜まりやすいです。木造の場合は木による調湿が行われますが、コンクリートに同じことは期待できません。
結露を防ぐために窓をペアガラスにしたり、湿気の逃げ道を作ったりなどの工夫が必要になります。
ただ、鉄筋コンクリート造を扱っている建築会社であれば、湿気には気をつけて設計しているため、基本的に心配ありません。
鉄筋コンクリート造住宅の一番の問題は金額です。しかし、安全性の面では木造住宅に対して圧倒的なアドバンテージを持っています。予算の都合が付き、安全性を重視したいという人には、鉄筋コンクリート造住宅を選ぶのが良いでしょう。